アイゼナッハ・・・ドイツ史に欠かせない町

今回はちょっとした教養ネタを。

ドイツで最も有名な町は？　首都のベルリン？空の玄関のフランクフルト？ あるいはミュンヘン？　どれも当たっていますが、多くのドイツ人にとってこれら大都市と同じくらいよく名前が知られた町がひとつあります。ドイツ中部チューリンゲン州にあるアイゼナハ（Eisenach）という人口４万人ほどの都市がそれです。こんな小さくて、フランクフルト空港から北東に200kmほど離れた田舎町がなぜ？　それはドイツの偉人や、歴史上の重要な出来事に深いゆかりがあるからです。

まずここは「西洋音楽の父」のJ.S.バッハの生誕地（1685年）。近隣にあるヴァルトブルク（Wartburg）城はあのマルチン・ルターが長期に籠って聖書を独語訳したところ(1521-22年)。そして、19世紀初頭にドイツの統一と自由を求めたブルシェンシャフト（Burschenschaft）活動が学生たちによって始まった町(1815年)でもあります。最後の出来事は日本人にとって全く馴染みが無いですが、最終的に1871年のドイツ帝国の成立に繋がったドイツ史上きわめて重要な活動で、このとき学生によって構成された義勇軍の制服が黒のコート、赤の襟、金のボタンで、その色がそのまま今のドイツ国旗に受け継がれています。

私が17年にこの町を訪れたときは観光客の殆どが地元ドイツ語圏の人たちでした。ドイツ旅行の際は是非アイゼナッハへ！と言いたいところですが、正直なところ、ドイツ史を良く知っている人だけがこっそり行ってほしいという気持ちでもあります。

ブルシェンシャフト活動記念塔