欧州人の最大の楽しみの一つはバカンス、とくに2~3週間に及ぶ夏休みにあると言っても過言でありません。
イースターあたりから職場のランチやコーヒーブレークの時にバカンスの行先の会話が増え始め、その時点でほとんどの人が行先と期間を予約済み。みなさん楽しそうに旅の計画を語ってくれます。
私の駐在していたドイツ、ベルギーの人たちの休暇先の一番人気はスペインや地中海の島々。
同僚のある役員は「ガーナの奥地を妻と友人たちと一緒にカヌーで1週間かけて旅行する。その間、メールも携帯も一切通じないのでよろしく!」と、豪快な旅をする人が特に幹部クラスで珍しくありません。
ガーナはもちろん、スペインの例えばマヨルカ島1週間滞在でも旅行費用は相当嵩みます。しかしながら、彼らがそれの出費を痛みに感じている雰囲気は全くせず、人生を豊かにする当然の出費と捉えている節があります。
長期バカンスは会社員だけでなく個人商店や飲食店の経営者も当然の権利として取りますので、シーズンの7月―8月は閉まっているレストランも目立ち、街中の人通りも少なくなります。
なぜ欧州人は長期の休暇が取れるのか。
もちろん有給休暇などの公的な「制度」として定められていることが理由として挙げられます。それ以上に、有給休暇の100%行使が会社単位だけでなく社会全体で受容されていることが大きいと考えます。
例えば家の洗濯機が壊れた。修理を頼むと「いまバカンス中で修理工が集まらない。1週間先になる」。
日本に住む日本人のであれば「ふざけるな、すぐ来い!」。
欧州であれば「そうか、バカンス中であれば仕方ないな。その間不便で困るが・・」。
日本は翌日に修理の人が来ます。
トータルで見てどちらのほうの生活が豊かで幸せか。考えされられます。
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欧州チーム Y. T.