塩の壺に「の」の字

タンザニアに住んでいた時の話です。

日本の企業からの駐在員や大使館員は危険地手当が加算される事もあり現地の物価からすると余裕のある生活を送ることができます。
住んでいる家は日本に比べるととても大きいので庭の掃除や植木の手入れをする庭師、自家用車のドライバー、掃除・洗濯・食事の準備と後片付けをするハウスメイドを雇っている家庭がフツーです。
そのように雇われている現地の人たちのモラルはあまり高くなく、メイドが小物を勝手に持って帰ってしまう事が駐在員にとっての頭痛の種でした。

あるとき日本人の奥さんが調味料の減り方が異常に早いことに気づきました。前回使った時には十分に残っていたと記憶しているのに何か変だと。
そこである日ゴルフに出かける前に塩壺の塩の表面に指で「の」の字を書いておきました。
その日の夕方ゴルフから帰って塩の壺を開けてみると、なんと「の」の字が裏返って「左巻き」の「」になっていたのです。

その日メイドが解雇されたのは言うまでもありません。

北米チーム T. O.

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