旅行や出張で、パリやロンドンなど欧州の主要都市を訪れるとき、おそらく必ず周りから言われるであろう注意は「スリに気を付けろよ」でしょう。鉄道の中や駅ではもちろん、レストランでも小売店でも、ちょっと目を離したすきにあっという間に鞄や財布を盗まれた事例は、駐在歴が長い人でも例外でもありません。例えば私のベルギー駐在中も、夏休みなど長期の休暇後に自宅に戻ったら中が荒らされていた例などは序の口で、赴任・帰任の引っ越しの際に業者を装って家財道具一切を盗まれたケースも知っています。会社の事務所荒らしにもドイツ駐在時代に一回やられました。
どうすれば防げる? 常に周りを注意する、業者(あるいは警官)と称してもまず疑ってかかる。会社や家のロックを厳重にする、車は停めるところに気を遣うなどのオーソドックスな方法で防ぐしかありません。長期に家を空けるときに一定時間に自動的に部屋の電気が付くような機器を設置するなどの手もあります。もっとも大事なことは「窃盗を、しかも巧に働く人間がそこら中にいる」と言う意識を絶やさないこと。何やら心が休まらない感じがしますが、これが「グローバルスタンダード」です。日本の治安の良さは世界的に見ても極めて例外であること、忘れないほうが良いです。
ブリュッセルのクリスマスの装い。でも鞄とポケットに注意を忘れずに
欧州チーム Y.T.