日本の各地に出張や旅行で行っても、現地の生の方言を耳にすることが少なくなりました。大阪ですら「コテコテの関西弁」が若い人を中心にあまり話されず、ところどころ標準語化している気がします。
一方欧州の各国。イギリスでしたらスコットランドのグラスゴーあたりの地元の人と話してみてください。下手したら話している内容の半分も分からないかもしれません。いや、リバプールあたりでもかなり訛っていて、例えば末尾のk音がh音になり、Backが”バック“でなく”バッハ“とドイツ語(?)のように聞こえます。
その例えで出たドイツ語。ドイツ語圏諸国の各地でも地方色豊かな方言がたくさん話されており、ドイツ語を知らない人でもハンブルグとミュンヘンの人々が話す言葉がかなり異なることが分かるはずです。これがスイスのドイツ語圏に行くともっと訛りが強烈で、ドイツ人すら「通訳がいる」と嘆くくらい。
欧州に住んで強く感じたのは、このネット社会においても多くの人が自分の住んでいる地域の方言をアイデンティーの拠り所にし、誇りすら思っていることです。そもそもイギリス人と話してもそもそも「何が何でもロンドンが中心」という意識は薄いですし、ドイツに至ってはロンドンやパリのような、政治・経済・文化すべての中核となる都市がありません(ベルリンはあくまで政治だけの中心、という意識)。
欧州に旅行、あるいは駐在することがあれば、ぜひこの豊かな各地の方言をぜひ存分に味わってください。
ドイツ・バイエルン地方の民家。
「こんにちは」は標準ドイツ語では“グーテンターク!”ですが、ここでは“グリュースゴット!” 高地にあるので空の青さも違います。
欧州チーム Y.T.